#226 分類とつながりの効用   14 years ago (owner / minakaji) Document
#155で既に論じられていることを再論するようで恐縮ですが、この間から考えていたことを書かせていただきます。
「『超』整理法」(野口悠紀雄著)では分類の問題点として次の各点をあげています。
  1. こうもり問題(暗闇でぶら下がっているコウモリのように、どこに分類したか、どこに分類すべきか分からなくなる)
  2. その他問題(その他分類ばかりがふくらむ)
  3. 誤入問題(間違えて分類してしまい見つけられなくなる)
  4. 分店時の在庫引き継ぎ問題(分類を細分化し、分家にする場合、一貫性を保とうとすると手間が半端でない)
  5. 君の名はシンドローム(何と名付けたか忘れてしまう)
そしてそのような問題点のある分類に精を出すぐらいなら、分類せずにファイル毎に時系列に並べておきなさいと説いています。
実際、紙媒体の書類を一定のスペース内で時系列に並べ、適宜いらないものを処分しながら、ところてん方式で押し出されたものを捨てる、取り出したものはまた最新ファイルとして手前に戻すという方法で管理すると、実際に使うものを使いたいときにピックアップできて大変便利です。
ただ、上記の各問題点はコンピュータとソフトウェアの高機能化により、電子ファイルについては相対的に問題が小さくなってきていることもまた事実かと思います(何といっても1993年に発行された書籍ですから)。コピーも検索も紙媒体に比較してとても簡単です。Piggydbなら負荷なくカテゴリを複数つけることができ、つながりと連動させればコウモリ問題の発生の頻度をかなり下げられます。少なくともどこに保存したのか分からないという状態は極めて発生しにくい状態です。となると少なくとも電子ファイルについては、分類することの問題点を論じることより、#155のように「何のために分類し、つながりをつけるのか」を考えた方が実があると思います。
「脳と気持ちの整理学」(築山 節-脳神経外科専門医-著)は、脳には長期記憶の書庫と一時記憶の机があるが、いきなり長期記憶の書庫に入れることはできず、一時記憶の机に一旦はのせる必要があるといいます。そして一時記憶の机は「マジック7」と呼ばれるほどに狭いため、細切れの入力、ファイル化(情報を分類しカテゴリーごとに整理、確認する)が必要である、また、キーワードは記憶を引き出す手がかりとなる、と説明しています。これは#155で説明されている、「『ユーザー自身が学習するため』の分類」ということに通じるのではないかと思います。
 
  • → #227 Piggydbが主張するところの「分類の目的」について、分かりやすくパラフレーズして頂いて有難うございます。 ...   14 years ago (owner) Document
  • → + #253 >単なるキーワードではなくて、'''minakajiさん的には重要'''な分類になっている、ということなのではないでしょうか。 ...   13 years ago (minakaji) Document