tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921:tag-49
2013-09-05T14:29:42.787+00:00
Piggydb.jp - #The Piggydb Way
Piggydb
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-889
2013-09-05T14:29:42.787+00:00
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ネットで手に入る情報にストラクチャーはない
<div class="paragraph">
今ではかなり体系的な知識もネット上で公開されるようになってきているので、これは真実ではないとは思うのですが、多くの人に取って、ネットとはSNSだったり、ニュース系サイトだったり、あるいは2chだったりするので、ここではあえて「ネット」だとしておきます。
</div>
<div class="paragraph">
ここで言いたいのは、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>を手に入れるにはコストを払わなけばならない、ということです。コストというのは、お金とか労力とかです。
</div>
<div class="paragraph">
ネット上のニュース記事を書いている人の頭の中には<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>があるかもしれませんが、そこから出てくる記事は<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>の断片に過ぎません。それを読む人の頭の中に著者と同様の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>があればその記事を深く理解することができますが、そうでなければ、読者は自分の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>に合わせた解釈をするほかありませんし、それすらもなければ、そもそもその記事を理解する事もできません。
</div>
<div class="paragraph">
重要なのは、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>は自動生成できない、ということです。おそらくできないんじゃないかなと思います。これまでに蓄積された大量のシンボル(人工物)をいくら解析しても、既存の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>を取り出すことは出来るかもしれませんが、新しい<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>は出てこないはずです。何故なら<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC">ストラクチャー</a>は、人間の身体を通じた経験をベースに生成されるからです。もし、それをシミュレーションできるのならばと考えなくもないですが、それが可能な時代がやってきたら、人類の知的生産の歴史はそこで幕を閉じるでしょう。
</div>
owner
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2013-06-09T23:36:53.413+00:00
2013-06-09T23:36:53.413+00:00
包摂の二重性問題
<blockquote>
「つながりでも<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>でもどちらでも表現できる情報の構造を"どちらで"表現するか?」
</blockquote>
<div class="paragraph">
これは今までに何度も書いていますが、かなり重要な問題だと思っています。ヒトの認識・認知的にも根拠があるようなので、近々考えを書いてみようかなと思っています。概念的包摂と構造的包摂の認識問題ですね。
</div>
<div class="paragraph">
「両者が重なるというムダ、非効率さこそが、実はPiggydbの二重構造の本当の価値」というのも、この包摂の二重性問題に関わっているので、なかなか的を得ているかもなあと思いました。自分も良く分かっていないことが多いので、開発を続けながら理論的な部分を詰めていきたいところです。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-841
2013-06-09T22:30:12.826+00:00
2013-06-09T22:30:12.826+00:00
「必要は発明の母」じゃなくて「発明は必要の母」
<div class="paragraph">
「アイデアー文脈」と「品物ー製作者」の関係は全く異なるものですよね。品物はアイデアを具現化したものなので、そこには文脈が込められています。つまりディテールがある。
</div>
<div class="paragraph">
「必要は発明の母」という言葉がありますけど、歴史的な発明品は発明者の意図通りに使われていないことが多いようです。これは解釈の自由を考えれば自明のことです。それを考えると、文脈など意味のないことのように思えてきますよね。でも実際は、文脈を重ねるとある種の普遍性に到達する蓋然性がそうしないよりは高くなる、ということなのかなと思います。そして結果的には「発明は必要の母」になると。
</div>
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2013-06-06T12:19:35.522+00:00
2013-06-06T12:19:35.522+00:00
文脈の伴わない格言の危険性
<div class="paragraph">
情報化社会、というと既に陳腐に聞こえる今日この頃ですが、情報流通の主役がインターネットに取って代わられてから、情報に対する価値判断の傾向は大きく変わりました。現代、その価値判断の中軸にあるのは「スピード」です。
</div>
<div class="paragraph">
あらゆることについて短期で結果を出すことが求められます。そのことが何かを行う際の、プレゼンテーションや結果の計測可能性の重要性として現れ、一発勝負で他人を説得してリソースを獲得しなければ何物も動かせないというような空気を生み出しました。
</div>
<div class="paragraph">
インターネット上でも、簡潔で含蓄のありそうな言葉が重宝されます。長くて精緻な文章は読まれなくなり、一言で会話のネタにできるような格言が好まれるようになりました。
</div>
<div class="paragraph">
例えば、「シンプル・イズ・ベスト」という言葉があります。とても分かりやすい格言のように思えますよね?これに限らず、シンプルを善とする格言はいろいろあって、英語圏では「<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/KISS%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87">KISSの原則</a>」が有名です。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%23The+Piggydb+Way">#The Piggydb Way</a>的には思うのですが、シンプル・イズ・ベストほど文脈を伴わないと意味の無い格言もそうそうないんじゃないでしょうか。
</div>
<div class="paragraph">
シンプルというのは相対的な概念です。複雑さというものがあって初めて意味を成します。複雑さによって目的の達成を阻まれた経験のある人であれば誰でも、なんでもっとシンプルにならないのかという苛立ちを体験していると思います。
</div>
<div class="paragraph">
ただ、ここで問題となるのは、シンプルであるというのは単に要素が少なければいいということではなく、本質的な部分を残して不必要な部分を捨てるということです。これはトレードオフの伴う大量の選択肢の中を、悩みながら試行錯誤した経験のある人しか辿り着けない境地です。シンプルにするというのは、物事の本質を見抜いてその構造を抜き出す作業なのです。生半可なことではできません。
</div>
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tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-792
2013-06-05T10:04:40.849+00:00
2013-06-05T10:04:40.849+00:00
上記のような書籍を取り上げておいて、ちゃぶ台を返すようなことを書いてしまいますが、知的生産の技術的なところは、書籍も含めてですが、あまり深く追求しない方が良いのではないかと個人的には思っています。...
<div class="paragraph">
上記のような書籍を取り上げておいて、ちゃぶ台を返すようなことを書いてしまいますが、知的生産の技術的なところは、書籍も含めてですが、あまり深く追求しない方が良いのではないかと個人的には思っています。何か現実的な課題に取り組む上で、結果としてそのような知見が得られたという方が良いと思うのです。
</div>
<div class="paragraph">
知的生産の書籍についても、書店で見かけるものはほとんどが内容の無いハウツーものや自己啓発的なものが多いですし、ほとんどコンプレックス商売の餌食になっているんじゃないかなあと。なので古典の方が良著が多いと思います。
</div>
<div class="paragraph">
もしクリエイティビティ自体に興味をお持ちでしたら、知的生産そのものよりも、人間理解を深める方向に行った方が良いのではないかと思います。認知とか言語、身体など科学的なアプローチもありますが、突き詰めると結局は文学になるような気もしてます。
</div>
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tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-791
2013-06-05T09:48:41.13+00:00
2013-06-05T09:51:02.802+00:00
おお、スゴい。...
<div class="paragraph">
おお、スゴい。行動が早いですね〜
</div>
<div class="paragraph">
引用箇所で重要だと思うのは「構造」という語です。コンテクストを「構造」だと表現していますよね。
</div>
<div class="paragraph">
これで示唆されるのは、物事を理解するときは全体として理解しなければならない、ということだと思います。全体は部分の和ではないんです。部分やキーワードだけに注目していたら、全体としての意味に辿り着くのは難しくなります。なので、「コンテクスト」のような抽象的な語に遭遇した場合は、辞書的な意味だけで分かったつもりにならずに、とりあえず判断を保留しておくのが重要なのではないかなと個人的には思います。「構造」もその手の語ですね。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-785
2013-06-03T20:49:39.886+00:00
2013-06-03T20:49:39.886+00:00
「アイディアの価値」
<div class="paragraph">
最近こちらで話題になった話を象徴的に表す面白いブログ記事を見つけたので、ちょっとご紹介。
</div>
<ul class="level1"><li> アイディアの価値 <ul class="level2"><li> <a class="url-link" href="http://blog.practical-scheme.net/shiro/20130523-matz-on-ideas">http://blog.practical-scheme.net/shiro/20130523-matz-on-ideas</a></li></ul>
</li></ul>
<div class="paragraph">
ここでの議論を追っている方にはお分かり頂けると思いますが、私はこの記事が参照している、まつもとゆきひろさんの元発言の方を支持する立場です。
</div>
<div class="paragraph">
つまりこれは、価値があるのは、アイデアの方なのか、それともそれを実現する過程で蓄積した文脈の方なのか、という話ですね。
</div>
<div class="paragraph">
Twitterの方では「これは単なるアイディアの定議論じゃないかなぁ。」というツッコミがありますが、このような立場の方が「いいアイデアがないかなあ」という場合、それはほとんど例外なく、その場で結果を要求しているのと同じ意味になります。それはいいアイデアならば、実現方法に関わらず価値があると仮定する(であろう)からです。
</div>
<div class="paragraph">
これに対して、文脈重要派が、アイデアは実現しなければ価値がない、という場合、それはいいアイデアを実現すると必然的に価値のある結果が得られるという意味ではなく、蓄積された文脈の価値によって、結果の重要性が左右されるという意味になります。
</div>
<div class="paragraph">
文脈重要派は、極端な話、出発点はほとんど問題にならない、とさえ考えます。どのようなところから出発しても、文脈の質次第で同じところにたどり着く可能性があるからです。重要なのは試行錯誤のプロセスであって、「アイデアなんかに価値はない」というわけです。
</div>
<div class="paragraph">
なので、
</div>
<blockquote>
果てしなく大きな倉庫いっぱいに何かの種子がある。 ほとんど全て雑草とかどうでもいい木の種だが、 非常に稀に、金のなる木の種が混じっていて、十分に手をかけて何年も苦労して育ててやれば 素晴らしい実りをもたらしてくれる。ただし種の段階や若木の段階では、 他のどうでもいい草木とまず区別がつかない。 さて、この倉庫の前で種を一山いくらで売ってたら、いくらで買う?
</blockquote>
<div class="paragraph">
という話は、アイデア自体に価値があるとする前提に立脚していて、文脈重要派が考える、後知恵として事後的に発見されるアイデアとは考え方のフレームワークがそもそも異なることになります。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-744
2013-05-26T20:24:04.817+00:00
2013-05-26T20:27:14.875+00:00
「コンテクスト」の意味については、記事に書かれている内容で合っていると思います。...
<div class="paragraph">
「コンテクスト」の意味については、記事に書かれている内容で合っていると思います。「コンテクストの言霊」というのがピンと来なくて、「○○の言霊」ということで、どのような言葉でも言えてしまいますし、「コンテクスト」である理由は何なのかなというのが素朴な疑問でした。
</div>
<div class="paragraph">
元の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>の記事(<a class="quick-viewable" data-id="735" href="http://piggydb.jp/fragment.htm?id=735">#735</a>)の「既存の知識体系からの脱却」については、ちょっと誤解を与える表現だったかなと反省していますが、既存の知識を無視していいという話ではありません。むしろ既存の文脈がなければ「画期的なアイデア」なる概念すら存在し得ない。つまり、「コンテクストの共有」が前提にありつつ、「既存の知識体系からの脱却」をするという話です。脱却というか、その上に新しい視点を加えると言ったほうがいいのかもしれませんが、、、
</div>
<div class="paragraph">
この話は結構重要だと、個人的には思っているのですが、価値のあるアイデアというのは「思いつき」とは違うものだと思います。なので、アイデアを発想する、という表現にも若干違和感を感じます。これは以前にもちょっと書きましたが、その背後に膨大な文脈があることが重要なのであって、おそらくアイデア自体に価値はありません。アイデアと呼んでいるものは基本的に後知恵でしょう。
</div>
<div class="paragraph">
平たく言えば、「コンテクストの共有」というのは、ひたすら勉強しろってことです。しかも、そこに自分流の解釈を挟まないことが大事です。挟んでしまえば、その時点で「コンテクストの共有」ではなくなります。もちろん、現実的に文脈を100%把握する、というのは不可能ですので、問題となるのはそこへ向かおうとする志向なんだと思います。
</div>
<div class="paragraph">
このようなツールを作っていて、こんなことを言うのも変な話かもしれませんが、手法に耽溺することの危険性は十分に注意した方が良いと思います。
</div>
<div class="paragraph">
なんか、偉そうな事を書いていると自分に対する壮大なブーメランになりそうなので、この辺で止めておきますね(笑)magicianさんの書き込みは考えるきっかけになっているので、それは本当にありがたく思います。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-735
2013-05-21T10:15:26.749+00:00
2013-05-21T10:15:26.749+00:00
KJ法の失敗パターンから知識創造のノウハウを学ぶ
<div class="paragraph">
<a href="http://gitanez.seesaa.net/article/124077022.html">なぜ、KJ法は失敗するのか?: DESIGN IT! w/LOVE</a>
</div>
<div class="paragraph">
この記事によれば、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>とは、
</div>
<blockquote>
そもそもバラバラに集めた質的データを、いかに包括的な視点でそれらの関係性を組み立て、部分をみていたのではわからなかった新たな発見をするかという手法です。創造的に問題発見を行う発想法です。
</blockquote>
<div class="paragraph">
<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>を使いこなすための重要なポイントとしては以下の三つが挙げられるようです。
</div>
<ol class="level1"><li> コンテクストの共有</li>
<li> 既存の知識体系からの脱却</li>
<li> ラベルの選択(命名)</li></ol>
<blockquote>
観察者それぞれで異なる見方をしてしまうので、おなじ事実をみても観察者によって解釈が異なる
</blockquote>
<div class="paragraph">
まず「コンテクストの共有」ですが、材料となる情報について、解釈が人それぞれで、でたらめな連想ゲームのようになってしまうと、表面的な議論に終始することになってしまう、ということですね。この問題ついては、<a class="quick-viewable" data-id="654" href="http://piggydb.jp/fragment.htm?id=654">#654</a>でも言及しています。Piggydbは個人で使うケースが多いと思いますので、材料の解釈については問題にならないでしょうが、そこから新しい<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>に結びつける過程では、やはり文脈というのが大事になってきます。というのは、既存の知識や社会の文脈を踏まえなければ、何が隠された問題なのかを判断することも出来ないからです。
</div>
<div class="paragraph">
KJ化の肝、統合化の失敗パターンは特に興味深いです。
</div>
<blockquote>
* 似ているものをつなぐことをせず、カテゴリーに分けてしまう。<br/>
* 観察対象の人びとの行動のなかの体験そのものを想像せずに、カードに書かれた言葉のイメージだけで分類する。<br/>
* 最初に大きなグループに分けてから、小さなグループを作ろうとする。<br/>
* グループ化したものに、そのグループに含まれる特徴をすべて含んだ適切なラベルがつけられない。<br/>
* ラベルが貧弱なため、ラベルとラベル同士の類似が見つけられない。
</blockquote>
<div class="paragraph">
「既存の知識体系からの脱却」というのは、ある意味、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>やPiggydbのそもそもの目的と言ってもよいのではないかと思います。既存のカテゴリーを横断するような重要な問題を発見する。言うのは簡単ですが、普段からそのような思考方法に親しんでいないと、なかなか難しいところです。
</div>
<blockquote>
とにかく普段、思考の別化性能(違いで分ける)ばかりはたらかせている現代人は、似ているもの同士をつなげるという類化性能をはたらかせるのが苦手です ... 求められているのは、「分ける」ことではなく「つなぐ」ことなのに、表面(言葉)の同一性に眼を奪われて、人びとの行動や体験そのものの背後にある類似性に眼を向けることが苦手です。 ... 本来常に動き変化するものである物事をことばなどで固定化した形でとらえてしまい、動いている事物のなかの緒力に目を向けられないという現代人の傾向にもつながる話ですね。
</blockquote>
<div class="paragraph">
こういった思考方法を鍛えるにはどうしたらいいでしょうか。一つの案としては、全く関係ない分野の本をいろいろと読んでみる、というのも一つの手ではないかと思います。私は、既存の知識体系に囚われることを「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E5%B0%82%E9%96%80%E6%80%A7%E3%81%AE%E6%AA%BB">専門性の檻</a>」と呼ぶことがあります。知識豊富な人でも、専門家を自認していたりすると、通常よりも強くその分野の知識体系に囚われていることが多いからです。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-728
2013-05-14T11:27:09.645+00:00
2013-05-14T11:27:09.645+00:00
事後的に発見されるアイデア
<div class="paragraph">
アイデアとその実現を別々に考える、というのは、おそらく今でも多くの人にとって自然な考え方でしょうし、特に組織においては支配的な考え方だと思います。まずブレインストーミングなどでアイデアを出すフェーズがあり、そのアイデアに対して評価を行い、その後に、良さそうだとされたアイデアの実現に向けて行動を開始する。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、実際はそのようなやり方が機能することはほとんどなく、組織で生み出されるものは概して流行を追いかけるものばかりだったりします。
</div>
<div class="paragraph">
現代において新しくて価値のあるものを生み出そうとするなら、ほぼ例外なく、探索的な手法を取らざるを得ないのではないかと思います。トライアル&エラーで常に学習しながら軌道修正していかざるを得ない。その探索の結果を後からまとめたものがアイデアとなる、つまり、そのように事後的にしか発見し得ないのが画期的なアイデアだと思うのです。
</div>
<div class="paragraph">
探索的、というのは進捗が堂々巡りになったときのクリエーターの言い訳にも聞こえますが、今では探索的な手法を如何に制御可能にするか、予測可能にするかという観点に立ったプロジェクトの管理手法も多く提案されていますし、今後ますます重要な考え方であることは間違いありません。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-725
2013-05-06T20:09:44.672+00:00
2013-05-06T20:09:44.672+00:00
創造性の源泉 - 類似性の発見
<div class="paragraph">
もし我々が世界のあり方をそのまま認識でき、その情報を他者に欠落なく伝達できるとしたらどうでしょうか。
</div>
<div class="paragraph">
そのような世界では不可知なことは存在し得ず、誤解、というよりそもそも解釈というものも存在しないでしょう。よって、文学や芸術が生まれる余地もありません。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、現実には、身体的、物理的な制約があって、そのようなことにはなっていません。たとえば、我々は情報を脳という限られた場所で処理しなければならないので、何らかの形で情報を圧縮する必要に迫られます。
</div>
<div class="paragraph">
そのような制約から、我々は「類似性を認識する能力」を手に入れたのではないか、これは私の勝手な想像ですが、そのようにとりあえずは考えることにしてみます。
</div>
<div class="paragraph">
類似性を認識することによって、似たようなものを「同じもの」として扱うことができるようになります。たとえば、我々が「りんご」という場合、その対象は数え切れないほど無数にあります。りんごの個体ひとつひとつは微妙に形も違いますし、中には色が全く異なるものもあります。それでも、我々はそれらを同じ「りんご」として認識し、日常的なコミュニケーションにおいて誤解が発生することもほとんどありません。ここで情報はかなり圧縮されていることが分かります。
</div>
<div class="paragraph">
もちろん、圧縮することによる弊害もあります、我々は日常的に誤解や解釈の違いから来るディスコミュニケーションを経験しています。運が悪ければそれが争いの元になったりします。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、一方で圧縮された情報が多くの人を感動させたり、特定の人を救ったりすることもあるわけです。
</div>
<div class="paragraph">
この、どのように情報を圧縮するか(圧縮したものをここでは<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>と呼んでいる訳ですが)、そしてそれがどの程度他者に影響を与えたか、それが創造性の尺度になるのではないか、とりあえずここではそのような仮説を提示しておくことにします。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-724
2013-05-05T23:15:21.792+00:00
2013-05-05T23:15:21.792+00:00
なぜPiggydbなのか?
<div class="paragraph">
知的生産という行為が日に日に重要になっていく昨今、そのための道具を日常的に利用している人はとても多いと思います。意識的にEvernoteのようなサービスを使わなくても、Gmailを利用すれば日常的に入ってくる情報が勝手にデータベース化されますし、TwitterやFacebook、ブログなどを利用する過程でも、知らず知らずのうちに、情報を摂取し、加工し、発信するというサイクルの中で知的生産の領域に足を踏み入れることになります。
</div>
<div class="paragraph">
こういったサイクルの中で、多くの人が習熟するのは「道具の使い方」です。アプリケーションやWebサービスのような道具の使い方はもちろんのこと、そこで流通する「言葉」も、ある種の道具です。あるサービスについて詳しかったり、流行の言葉や決まり文句を適切に使いこなすというのは、ある意味、分かりやすい物差しです。その延長には「専門家」と呼ばれる領域もあります。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、これからの世界で重要になっていくのは、道具の使い方に詳しくなることではなく、いかに新しい道具を作るか、ということではないか、そのような考えがPiggydbの背後にはあります。
</div>
<div class="paragraph">
特に日本においては、与えられた道具をうまく使いこなすこと、道具自体を改良することについては、それなりの実績がありますが、全く新しい道具を生み出すということについては、苦手としているように感じます。
</div>
<div class="paragraph">
新しい道具を生み出す原動力は、人間に自然に備わっている「類似性を発見する力」です。本来は無関係だと思われていた事象の間に類似性を発見し、それを新しい<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>として提示する。その類似性に新規性があり、かつ射程が広ければ広いほど、その<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>には価値があります。そういった<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>の発見を補助するためのツール、それがPiggydbです。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-697
2013-03-17T12:34:40.153+00:00
2013-03-17T12:34:40.153+00:00
名前と文脈の表裏一体構造
<div class="paragraph">
名前やタイトル、あるいはキャッチフレーズの重要性は理解しています。ただ、それは単一では存在し得ないということですね。すごいキャッチフレーズを生み出せるのは、膨大な文脈を把握しているからこそだと思います。であるが故に、魂がこもる、と。その表裏一体の構造をいかに表現するかというのが(今のところの)Piggydbのテーマです。
</div>
<div class="paragraph">
プロセスとしては、情報収集から、検討、発見、名付けというのがボトムアップの知識構築なので、名付けが「過程でありゴールの1つ」だというのはまさにその通りだと思います。
</div>
<div class="paragraph">
また、名前にフォーカスするか文脈にフォーカスするかというのは、状況によって変わってきますよね。
</div>
<div class="paragraph">
例えば、ある種の狭いコミュニティの中では高文脈(ハイコンテクスト)な状況が生まれますので、名付けの重要性にはなかなか思い至らなくなる。名付けというのは、それまでコミュニティの中で積み上げてきた<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>の組み替えになるので、少なからず抵抗も生まれます。
</div>
<div class="paragraph">
一方、低文脈(ローコンテクスト)な状況、つまり多くの不特定多数の聴衆にアピールするためには、分かりやすい名前やキャッチフレーズが重要になる。例えば、「造反有理」などは20世紀に生まれたスローガンの中でも最大級ものものです。ただ、動員された多くの人はその文脈を理解せずに(あるいは理解しないことを狙ったとも言えますが)、大変な悲劇を引き起こしてしまった。
</div>
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2012-10-08T19:31:10.355+00:00
2012-10-08T19:31:10.355+00:00
コンセプトの文脈を支えるタグフラグメントの二層構造
<div class="paragraph">
<a class="quick-viewable" data-id="651" href="http://piggydb.jp/fragment.htm?id=651">#651</a>で見つけたブログ記事(「<a href="http://memorandum.yamasnet.com/archives/Post-81.html">KJ法は発想支援ツールとして有効?</a>」)で展開されている考察がなかなか興味深かったので、ここからちょっと展開してみたいと思います。
</div>
<div class="paragraph">
このブログの筆者であるyama氏は、キーワードを中心にした共同作業でのアイデア創造手法(<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>の変形)について、
</div>
<blockquote>
私をして違和感を持たせたというのは、おそらく、提出させられた「キーワード」の裏にあるアイディア、そしてその背景、文脈が全く切り取られたかたちで議論の俎上にあげられたということだったように思う。... しかし、複数の参加者が、突然、「キーワード」あるいは「一行見出し」のみをならべ、相互の関連を考察しようとしても、何も新しい発想など生まれる筈がない。「一行見出し」がそれに代表されているリッチな内容が参加者間で了解されていないからだ。こうした議論が、表面的なもので終わるのは不思議なことではない。
</blockquote>
<div class="paragraph">
という感想を述べておられますが、これは全くその通りであると私も思いました。
</div>
<div class="paragraph">
キーワードや見出しの質にもよるとは思いますが、発想のために重要なのはその背後にある膨大な文脈の方であって、キーワードはあくまで結果に過ぎないと思うのです。
</div>
<div class="paragraph">
面白いと思ったのは、このキーワードを中心としたある種の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E6%81%A3%E6%84%8F%E7%9A%84%E3%81%AA%E9%80%A3%E6%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0">恣意的な連想ゲーム</a>というのは、この記事にある研究会の中だけではなく、現在のメディアを媒介した一般的なコミュニケーションにおいても同様のことが展開されているという点です。
</div>
<div class="paragraph">
特にインターネット上のコミュニケーションでは、こういった現象がますます加速していって、キーワードから完全に文脈が排除され、受け手の好きなように解釈・再利用されるという感じになっています。
</div>
<div class="paragraph">
私自身は、これはいわゆる創造的なプロセスとは逆行するものではないかと考えていて、故に共同作業でのアイデア創造についても懐疑的に考えざるを得ないと思ったりしています。
</div>
<div class="paragraph">
Piggydbでは<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>というもので表現しますが、これは試行錯誤の結果発見された<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>にせよ、これから調べたいと考えて、予め設定される<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>であるにせよ、その下に膨大な文脈情報をぶら下げることができるようになっています。
</div>
<div class="paragraph">
<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>とは「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>としても使える<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>」のことですが、この<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>はつながりと<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>という二つの経路を使って他の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>と関連付けることができます。以下のスクリーンショットのように、二層のグループ化された<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>を持つことができるわけです(上部がつながりによるもので、下部がタギングによるもの)。
</div>
<div class="paragraph">
<a class="img-link" href="http://piggydb.files.wordpress.com/2011/08/full-fledged-tag-page.png"><img src="http://piggydb.files.wordpress.com/2011/08/full-fledged-tag-page.png" alt="http://piggydb.files.wordpress.com/2011/08/full-fledged-tag-page.png"/></a>
</div>
<div class="paragraph">
<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を下支えする情報が二層化されることによって、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>にとってより本質的な情報はつながりで接続、単に関係がある情報はとりあえずタギングしておく、という感じで、関連情報を振り分けながら、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>の輪郭を作り上げていくことができます。あるいはその過程で、別の<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を発見したりということも起こりやすくなります。
</div>
<div class="paragraph">
創造的なプロセスを実現するためには、膨大な文脈情報をいかにうまく構成できるかというのがキーポイントで、それを<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>による二層構造で表現してみよう、というのがPiggydbのアプローチです。
</div>
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2012-10-06T23:37:39.341+00:00
2012-10-06T23:37:39.341+00:00
「蓄積」と「大局的な視点」
<div class="paragraph">
camiさん、
</div>
<div class="paragraph">
介護問題、私も一度覚悟を決めた後にその身内が亡くなるという経験をしているので他人事とは思えませんが、回り回ってPiggydbというソフトウェアがそのような形で、ささやかにでもお役に立てたということであれば、これ以上嬉しいことはありません。
</div>
<blockquote>
結局のところ、そういう関連性を見つけ出すのは脳内の作業です。
</blockquote>
<div class="paragraph">
そうなんですよね。人間の能力を馬鹿にしてはいけないなと思います。Piggydbと似たようなアイデア創造の手法として<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>というものがありますが、確か立花隆氏だったと思いますが、そんなまどろっこしいことをしなくても人間は頭の中で同じようなことをやっているという批判がありました。
</div>
<div class="paragraph">
と思って、ググったら、やはり見つかりました。
</div>
<ul class="level1"><li> <a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>は発想支援ツールとして有効?<ul class="level2"><li> <a class="url-link" href="http://memorandum.yamasnet.com/archives/Post-81.html">http://memorandum.yamasnet.com/archives/Post-81.html</a></li></ul>
</li></ul>
<blockquote>
<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>の原理は非常に重要なことだということはわかっていた。しかしそれは、別に川喜田二郎に教えられるまでもなく、昔から多くの人が頭の中では実践してきたことなのである。別に珍しいことではない。<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>のユニークなところは、これまでは個々人の頭の中ですすめられていた意識内のプロセスを意識の外に出して一種の物理的操作に変えてしまったことにある。「頭の中であれこれとりとめもなく考える」というプロセスをさまざまの概念を記した紙片をあちらに動かしたり、こちらに動かしたりという物理的運動に変える。それによって、これまで個々人の頭の中という無形の作業空間しかなかったものが、一つの物理的作業空間を得ることによって、集団的作業が可能になる。作業手順を定型化することで、万人向けのシスティマティクな方法論が確立する。... <a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>のごとき発想、つまり、思考過程を普遍的かつシスティマティクな物理的作業手順に分解することによって、これまで意識内作業であったものを物理的作業に置き換えることができるという発想は、コンピュータにはふさわしいが、人間にはあまり向かない。
</blockquote>
<div class="paragraph">
<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を発見するというプロセスにおいて、人間にはそれまでの長い経験に基づく直感というものもありますし、<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0">システム</a>ができるのはあくまで補助的な部分だけだと思います。ただこの補助の機能としてcamiさんが言われる「大局的な視点」をどうやって実現するかという部分においては、まだまだ工夫の余地はあると思います(スライダーによるズームもこの観点からの機能でした)。
</div>
<div class="paragraph">
むしろ<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0">システム</a>として重要なのは発見した<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を「蓄積」する方かなとも思います。人間の記憶には限界がありますので、データベースがある程度以上に成長すると、脳のキャパシティを超えた部分で、さらなる<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>の発見をサポートできる可能性が高まるのではないかと期待しています。
</div>
<div class="paragraph">
蓄積した情報をどう見せるかについては、いくつかアイデアがありますので、今後のバージョンでそれらを実装していくことになると思います。「蓄積」と「大局的な視点」がうまく両立できれば<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=KJ%E6%B3%95">KJ法</a>の限界も突破できるのではないかと。
</div>
owner
tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-649
2012-10-05T00:19:18.642+00:00
2012-10-05T00:19:18.642+00:00
整理の過程で発見したコンセプトをデータベースの中心に据えていく
<div class="paragraph">
camiさん、素晴らしいコメントありがとうございます。これは参考になります。
</div>
<div class="paragraph">
なるほど重要なのはアクセシビリティなんですね。これもまた野口悠紀雄氏の発想で言えば「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E4%B8%80%E3%81%A4%E5%8E%9F%E5%89%87">ポケット一つ原則</a>」を実現するものだと言えるのかな。情報を一箇所に集約できて、あとはくまなくキーワード検索できれば、情報管理のニーズは一通り満たせると。
</div>
<blockquote>
そもそもEvernoteのノート同士がリンクできるようになったのも最近のことです。
</blockquote>
<div class="paragraph">
なるほど、そうなんですね。探しやすくするためにリンクや<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>なんかで整理するのは、ある程度までは便利に使えたとしても、情報量が増えると費用対効果が薄れていく、結局はキーワード検索がきちんと機能していればよい、という状態になっていくと私は考えています。Evernoteの場合は、input-and-searchが基本で、organizeはあくまでオプショナルになる。なのでorganize機能を充実させるのは、いたずらに複雑性を増すだけなのかなあと。
</div>
<div class="paragraph">
理屈としては検索性のための整理は不毛だと証明されていたとしても、そもそも整理が好きな人がいるんですよね。しかもWebサービスとかオンラインソフトなどを熱心に使う人たちは、比較的そのような傾向があるように思います。Evernoteがフィードバックをさらうとそういった声が目立つというのはあるのかもしれません。
</div>
<div class="paragraph">
しかし、こういったことを言うと語弊があるかもしれませんが、Piggydbとしても整理好きをターゲットにすることはできないのですよね。それは理屈として生産的な作業ではないと分かっているからなのです(全ての分類に恣意性があることが数学的に証明されている)。
</div>
<div class="paragraph">
なので、検索のための整理ではなくて、整理の過程で発見した<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>をデータベースの中心に据えていくという(<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>として)、新しい情報管理のあり方を提案できればと思っています。つまり、分類の「恣意性」を逆手に取るわけです。「分類・整理を奨励」と書きましたけど、今までの整理・分類とは目的が異なるというわけです。分かりやすく言えば、発見した<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88">コンセプト</a>を蓄積してマイ辞書を作るということですね。
</div>
<div class="paragraph">
基本的に、ただ整理・分類機能があるだけだと、大体の場合、ユーザーは集めた情報を自分が知っている既存の知識体系に当てはめていくだけになります。<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>などがいかにもありそうなカテゴリになるわけです。このような分類の一貫性を、データが増え続ける中でも、ずっと維持し続けるのは費用対効果が悪すぎるということで、そのプロセスを逆転させたいというのがPiggydbの狙いです。
</div>
<div class="paragraph">
そう考えると、まだまだ進化の余地はあるといいますか、まだ未熟すぎるなあというのが正直なところなのです。
</div>
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tag:piggydb.net,2009:db-20100315082426921.fragment-647
2012-10-03T13:42:01.648+00:00
2012-10-03T13:42:01.648+00:00
EvernoteとPiggydb
<div class="paragraph">
何かを書かなきゃと思いつつも時間は過ぎていく今日この頃です。
</div>
<div class="paragraph">
前回のエントリを書いた後に考えていたことは、「PiggydbはEvernoteの代替にはなり得ません」と書いたからには、その違いを説明しなきゃなあ、ということでした。そこでほとんど使ったことがないEvernoteについて何も知らないで書くのは問題だと思い、ある程度調べてからにしようと思ったのがそもそも間違いでした。
</div>
<div class="paragraph">
TODOリストに「Evernoteの調査」と書いたはよいものの、そんな興味もないタスクにやらなきゃという気が起こることもなく、リストの奥深くに埋没しきって完全に見えなくなったところで、ようやく、そんな面倒なことはスキップ、スキップ!と開き直ることができたのです。
</div>
<div class="paragraph">
そもそも、この件について自分が言いたいことはそれほど大したことでもないのですよね。
</div>
<div class="paragraph">
Evernoteというのは、使っていない私が断言してしまいますが、野口悠紀雄氏が言うところの、
</div>
<blockquote>
「自分では格別の整理作業はせず、データを投げ込むだけ。一定の時間がたつと、データが徐々に蓄積され、気づいた時には全体がデータベースとして機能している」という<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0">システム</a> -『<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062149486/piggydb-22/ref=nosim">超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー</a>』
</blockquote>
<div class="paragraph">
を理想的に実現したものだと言ってよいわけですよね?
</div>
<div class="paragraph">
野口氏は著書『<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121011597/piggydb-22/ref=nosim">「超」整理法</a>』の中で、情報を探しやすくするために分類するのは不毛であると宣言しています。そこで「押出しファイリング」、すわなち、時間軸をキーとした検索を提案されているわけですが、これは紙の書類の話で、IT時代の現代だと、情報を探しやすくするというのはコンピュータに任せた方が良い、ということなります。
</div>
<div class="paragraph">
その行き着く先がEvernoteのようなサービスだと、まあ私は解釈しているわけなのです。
</div>
<div class="paragraph">
それとPiggydbが何が違うかと言えば、Piggydbは分類・整理をまあ奨励しているわけです。しかし、それは情報を探しやすくするためではありません。分類・整理を通じて利用者が学習するためです。なのでその分類・整理に一貫性を求めません。そして、その学習を高度なものするために、他のソフトウェアにはないような分類・整理のための機能と方法論を用意している、あるいは今後開発していきたいと考えているわけです。
</div>
owner
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2012-07-10T22:12:06.896+00:00
2012-07-10T22:12:06.896+00:00
Piggydbとは?
<div class="paragraph">
Piggydbは、ブログやTwitterを書くような感じで手軽に情報を入力しつつ、必要に応じて情報同士をつなげたり、重要な情報に「重み付け」を行ったりしながら、知識やアイデアを育てるための、柔軟性の高いメモ帳のようなアプリケーションです。
</div>
<div class="paragraph">
基本的な構成要素は、「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>」と呼ばれる情報の単位と、その<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>同士をつなげる「つながり」の2つだけです。もう一つ、情報を分類するための「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>」がありますが、これもPiggydbでは<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>の一種として扱われます(<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0">タグ</a>として利用される<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">フラグメント</a>を「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88">タグフラグメント</a>」と呼びます)。
</div>
<div class="paragraph">
機能的な説明は以上で済んでしまう程にシンプルなものなのですが、これだけだと、それが何の役に立つのか、どのような可能性を秘めているのか、なかなか分かりづらいと思います。将棋やチェスのルールをいくら説明しても、その奥深さを伝えるのは難しいように、ここで簡潔に説明するのはなかなか難しいです。そこで、時間をかけていろいろな実例を示したり、周辺的なトピックを紹介しながら、少しでもその奥深さを伝えることができればと思い、この「<a class="tag" href="http://piggydb.jp/tag.htm?name=%23The+Piggydb+Way">#The Piggydb Way</a>」という連載を始めることにしました。
</div>
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