#731 「PDCA」から「EAチェーン」へ   10 years ago (magician) Document
#728の"事後的に発見されるアイデア"について、とても近い考え方が、ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための 今すぐできる「戦略思考」の教科書 筏井哲治 講談社という本に載っていますので、抜粋して紹介します。
「PDCA」から「EAチェーン」へ
代わりに考えたのは自分たちが属している数名のチームでExperiment(実験)-Adapt(適用)を繰り返すことでした。
ただ、ブレインストーミングによって思いついたたくさんのアイデアや工夫の中から、みんなが面白いと思ったものをとにかく実行してみる、たったこれだけです。こんな単純なことなのに、新しいアイデアを実験する、ということを毎日やっている組織はほどんどないようです。しかし、当然のことですが、実行しないことには、状況共有も独創的なアイデアも、何の意味も持ちません
作者様の仰っていることは、このEAチェーンの垣根を更に下げて、ブレインストーミングも省略し、とにかく実験してみること。その代わり、その時々の結果やそれに関する考察、周辺事項をこまめにPiggydb等に蓄積して記録していくこと。
言い換えれば、Preview(準備)からReview(再検討)への重点の変換、なのではないでしょうか? 現代に置いて、失敗を恐れる余り、とにかくPreview(準備)に力を割き、実行まで漕ぎ付けないことも少なくない。そうではなくて、まず実践・実験して、その代わりその行動をしっかりReview(再検討)し、その内容を記録・蓄積していく。
(個人的には、Previewを"プレ"と短く呼んでいます。Reviewに関しては、日常でまだそこまで意識していないので、省略語はありません)
実際にやってみたら、やはり画期的なアイデアだったと実感する。実際にやってみたら、どこか予想と違う。そして、成功も失敗も分け隔てなく記録する。そうして蓄積されたモノを新たな視点、斜めの視点などから眺めて、思わぬ共通のコンセプトを発見したりする。
そういう行動をサポートできるのが、Piggydbの素晴らしさなのではないでしょうか。
また、一点追記しておきたいのですが、それでも何かしらの実践・実験の前に、その行動の結末を"予測"しておくことは、とても重要な意識の持ち方だと思います。その"予測"が当たるにせよ、外れるにせよ、思わぬ結果を生むにせよ、"予測"と"結果"の比較検討はとても重要な知的生産の1ピースとなると思います。
(知的生産とは違うかもしれませんが、私が”プレ”の"予測"を重要視するようになった実体験を紹介します。
それは、2010年の南アフリカW杯の初戦、カメルーン戦です。戦前の評判では岡田ジャパンの評判は最悪で、私自身もチームに期待感を持てずにいました。しかし、私はあるブログを読み衝撃を受け、とにかく岡田ジャパンは絶対に勝つ、グループリーグを突破できると信じることにしました。
絶対にチームは勝つ! というプレを経て、いざ初戦をTVで生観戦、結果、岡田ジャパンは勝利しました。その時の私の喜びようと言ったら! 
もしもチームに期待感を持てないまま、試合内容や試合結果に一喜一憂していたら、あれほどの喜び、感動は得られなかったことでしょう。
上記で記した、"予測"と"結果"の比較検討という視点は、効率的な学び、という観点も大きいですが、知的生産を行う者の感情面も含まれています。"Eureka"(Aha体験)は知的快感を伴うものです。知的生産を行うのはパソコンではなく、人間。人間がやることから感情を切り離したら、良い仕事は出来ない、私はそう信じています)