『ドアコン(仮称)』とは

自分が漠然と抱いているイメージの集合体をPiggydbの素晴らしい知的生産機能を使って育てていく、それが『ドアコン(仮称)』の目的です。
例えば、「私は富士山を見て◯◯◯◯と感じました」という文を書きたいと思ったとします。しかし、その◯◯◯◯に対する適切な言葉が浮かびません。美しい、雄大、感動的、日本の象徴、偉大、巨大、日本一、等々たくさんの言葉が浮かんで迷ってしまいます。その時、Piggydbならば◯◯◯◯という名前のフラグメントを作り、その下にそれらの言葉をぶら下げておいて、結論を保留することが出来ます。
やり方は簡単です。
  1. ◯◯◯◯という名前でフラグメントを作ります。
  2. 「◯◯◯◯」フラグメントの下に、「美しい」、「雄大」、「日本の象徴」、「偉大」、「巨大」、「日本一」、といった名前で作ったフラグメントをつながり機能でぶら下げていきます。
  3. 本文の◯◯◯◯部分に「◯◯◯◯」フラグメントへのリンクを張ります。
これで、「私は富士山を見て◯◯◯◯と感じました」という文を読み返したときに、◯◯◯◯ってどんなイメージの集合体だったかな? と思ったら、リンクをクリックすれば、直ぐに「美しい」、「雄大」、「日本の象徴」、「偉大」、「巨大」、「日本一」、といったイメージを確認することが出来ます。そして、新しいイメージを追加することも簡単です。
それらのイメージは単語だけでなく、タイトルのない文章や、写真、イラスト、Youtubeへの埋め込みリンク等でも表現することが出来ます。
最終的にこれが適切だ、という言葉を見つけたら、文章内の◯◯◯◯をその言葉と置き換えます。これで1つの『ドアコン(仮称)』の目的は果たされたことになります。

そして、『ドアコン(仮称)』をたくさん作っていく場合には、◯◯◯◯という名前よりも、フラグメント番号を利用して『ID#XXX』等いう名前にすると文章内のリンクが自動的に張られるようになるので、より効率的に知的生産を行うことが出来るようになります。

う〜ん、なかなか面白い案だと思うのですが、私が想定している「ボトムアップに立ち上がってくるコンセプト」とは微妙に違いますね。
始めから「◯◯◯◯」というコンセプトがある、と想定してしまうと、既にあるコンセプトについて単に言葉探しをしているだけになる恐れがあるんじゃないでしょうか。最初の段階で目的が設定されてしまう可能性が高いですから。そうではなくて、KJ法的に言えば、集めた情報自身に語らせないと、発想ということにはなりづらいんじゃないかと思います。
なので「コンセプト指向発想法」では、『ID#XXX』とせざるを得ない、名前を全く決められないようなフラグメントは、そもそも共通性を束ねる力も弱いので、独立したフラグメントにする基準を満たしていないと考えます。
コンセプトの候補となるフラグメントの名前は、名詞や一つのワードである必要は無く、短い文章でもいいので何らかの共通性を表現するタイトルを付けておいて、他から参照する場合は「fragment:1:title」のようにしておけば、タイトルの変更にも追随できるようになります。

「ボトムアップに立ち上がってくるコンセプト」と「現象に対応するコンセプトの組み換え」 → ...

magicianさん、移動中に読ませて頂いてますが、やはりこのフィクション形式は面白いですね。magicianさんが言わんとしているところが分かってきました。
magicianさんが「ドアコン」というコンセプトで表現しようとしていたのは、感情や感覚に対応するコンセプトの組み換え(再言語化)ですね。そのために、まず対象となる現象を表すフラグメントを用意しておく必要があると。それが「私はこのことについて分かりません、でもどこが分からないのかは分かっています」の意味ですね。
確かにこれは「ボトムアップに立ち上がってくるコンセプト」とは違うプロセスですが、「紅茶の味」を「純白のドレスで着飾ったアッサム姫の温かな幸せを飲んだあなたにもお裾分け」と表現するのはメタファーですので、結果としては新しいコンセプトを生み出しているわけです。なので、これもありなんですよね。興味深いです。
メタファーコンセプト指向発想法にとってきわめて重要な概念なので、近日中に詳しくまとめようかなと思っています。

「ドアコン」という名前について

「ドアコン」の意味するところについては #874 で書いたように腑に落ちた部分もあるのですが、このネーミングは換喩にしてもちょっと分かりづらいかなと思います。文学表現としてのメタファーであれば、より想像力を掻き立てる方向性もありかと思うんですが(「紅茶の味」の例など)、単にロジカルなコンセプトを表すのであれば、もっと直接的な表現を選択した方が良いかもしれません。その二種類の命名法を使い分けることは結構重要だと思います。