オフラインブログから知的生産ツールまで、変幻自在のPiggydbを逆引きしてみた

Piggydbを使って早一ヶ月が過ぎ、だいぶ自分なりのPiggydbの使い方が見えてきました。そして、気付いたこと、いや驚かされたことは、Piggydbの多彩な可能性の数々です。そこで、Piggydbを様々な方に興味を持って頂けるように、Piggydbの機能から何が出来るのかではなくて、他のサービス、ツールをPiggydbで再現することはできないかを検証してみました。特に一般的にはオンライン専用のサービスを完全オフラインのツールとして利用したいと思っている方の助けとなれるように考えてみました。逆に言えば、目的に合わせてどうPiggydbを活用していくかという事を逆引きでまとめてみる、ということになります。
ユーザ層にあわせ,ポータルの使い方を案内するフラグメントを作る。
書籍風の見出しフラグメントを追加。
初期ユーザ向けに,ステップバイステップのPDFマニュアルと画面及び用語解説ページ。
これらをドキュメントビューから作成したPDF及び配布向けページ。
ただ、現状の方向性としては、手取り足取りのドキュメント作成、ケニーさんが仰る、いわゆるPDFのような普通のドキュメントの作成についてのプライオリティはそれほど高くありません。
というのも、色々な人にPiggydbについて説明してきて、「Piggydbとは~のようなものである」という説明をしてもあんまり意味がないと気が付いてきたからです。
Piggydbはかなり汎用的なソフトウェアですので、その操作方法やコンセプトを説明しても、「で?」という反応になりがちです。
なんと言いますか、Piggydbは従来のソフトウェアの代替を意図して作られたものではないので、余計に「仕組み」だけを説明しても意味がないんですね。
今回の一連のフラグメント群が、作者様の意図とは少々ずれているのは、承知の上です。それでもPiggydbユーザーの増加を願って、逆引きさせて頂きます。どうぞお許し下さい。

「親子タグが使えるオフラインブログソフト」としてのPiggydb

「完全オフラインの個人用Wiki」としてのPiggydb

Piggydbは「疑似マインドマップ」から「知的生産ツール」へ

  1. セントラルイメージを新しいフラグメントとして作成します。もちろん、画像をセントラルイメージとして使うことも可能です。
    1. #8 情報を登録してみる
    2. #46 フラグメント登録
    3. #50 ファイルフラグメント登録
    4. #51 画像フラグメントの表示
  2. つながりのあるフラグメントを作り、タイトルにメインブランチの単語を記入します。
    1. #71 つながりのあるフラグメントをつくる
    2. #129 「つながり」をつくる方法
  3. 本文に文章を書くことでBuzan's iMindMapでいう「ノート」機能を再現することが出来ます。
  4. 後は、セントラルイメージやメインブランチからつながりのあるフラグメントを作る行程を繰り返せばOKです。
  5. 自由にフラグメントをツリー状に構成することが可能です。また、フラグメントの並び替えも簡単です。
    1. #66 フラグメント・ツリービュー
以上です。脳内でマインドマップをイメージすることが出来る人にとっては充分に有効な使い方だと思います。
とはいえ、やはり本家マインドマップの使い勝手には及ばないというのが正直なところです。ですが、この使い方をあえて紹介したことには理由があります。それは、「疑似マインドマップ」としてPiggydbを運用することで、「知的生産ツール」というPiggydb本来の目的を果たすための鍵となる機能「つながり」を分かりやすくイメージすることができるようになると感じたからです。
Piggydbは、いろいろな情報を入力しつつ、それらを「つながり」や「タグ」によって柔軟に整理することができる、情報管理システムです。Piggydbという名前から想像できるように、ある程度形式が定まったデータベースとして利用される方が圧倒的に多いようです。
しかし、このデータベース的用途とは異なる、Piggydbの真の目的があります。それは、あらゆる角度でつながりを作ることによって、発想を刺激し、新しいアイデアの発見を促す、より創造的なツールになることです。
Piggydbを自由自在に操って、画期的なアイデアを閃かせたり、既存の情報から新しい概念を発見したりする。そういうことに興味を持ってワクワクする方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度Piggydbをお試し下さい。その際に、もし始め方の検討が付かないようであれば、「疑似マインドマップ」の作成からスタートしてみることをオススメします。

「ドラマの台本」や「ノベルゲームのシナリオ」をPiggydbで作成する

  1. 新しいフラグメントを作成し、タイトルに「シナリオの名前」、本文に「あらすじやテーマ、出演者など」を書く。
  2. そこからつながりのあるフラグメントを作成(子フラグメント)し、「柱」(どこで、いつ)を作成します。
    1. タイトルに、シーン番号と「どこで、いつ」の描写を盛り込んで、本文は空白にしておきます。
  3. そこから、「柱」フラグメントからつながりのあるフラグメント(子フラグメント、シナリオの名前フラグメントから見て孫フラグメント)を並列で並べていきます。
    1. ト書(誰が、なにをしている)、セリフ(何を話している)を順番に並べていくのです。
    2. ここで、ト書きはタイトルを「ト書」、本文に「誰が、なにをしている」の描写を書いていきます。
    3. セリフはタイトルに「役名」を書き、本文に「セリフの本文」を書いていきます。
  4. これをシーンごと(柱)ごとに繰り返していきます。
以下に具体例を紹介します。

フラグメント [サンプルシナリオ] 本文:[あらすじ]
...子フラグメント タイトル:[1 さかのうろん・店内(夜)] 本文:[空白]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[薄暗い店内に、一人だけ残っている建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
...子フラグメント タイトル:[2 橋] 本文:[空白]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[渡っていくスクールバス。]
...子フラグメント タイトル:[3 百道・ウォーターフロント] 本文:[空白]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[幾何学的なデザインの超近代的な住居群。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[マンションを見上げている晶江、ケイコ、建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[興味なく橋を向いている一件。]
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」
......孫フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
......孫フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
ラジオドラマ脚本の書き方/日本放送作家協会九州支部より、サンプルシナリオを引用させて頂きました。
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この手法の一番便利な点は、ズバリ、各シーンやセリフの並び替えが楽だということです。また、要らないと思ったシーンも、後で必要だと思えば、すぐにゴミ箱から戻す事が出来ます。
また、親フラグメントの本文に画像を表示させることもできるので、ノベルゲームのシナリオ作りにも役立つでしょう。その場合は、画像ごとにシーン番号を付け、画像フラグメントを親フラグメント、地の文、台詞を子フラグメントとする二層構造にすると、画像を見ながらセリフを書いたり、並び替えたりすることが出来るので、便利だと思われます。

フラグメント [1 さかのうろん・店内(夜)] 本文:[酒場の画像]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[薄暗い店内で、建造が、一人だけ残っている。]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
フラグメント タイトル:[2 橋] 本文:[画像、夜の橋とスクールバスの画像]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[夜の橋をスクールバスが渡っていく。]
フラグメント タイトル:[3 百道・ウォーターフロント] 本文:[マンションの画像]
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」  
...子フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
...子フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
※上記のサンプルをノベルゲーム風に少しアレンジさせてもらいました。

この場合、画像のついた親フラグメント群に共通の親フラグメントを作成すると、シーンごとの順番を並べ替えることも簡単に出来るようになります。
また、各フラグメントごとに、タグを付けることが出来るので、役者の名前でタグを作ってまとめたり、名言にタグを付けて一覧にしたり、そういういろいろな「遊び」ができるのも、Piggydbの魅力の一つです。
最後になりますが、何故、Piggydbがこのような便利な使い方が出来るのかと言いますと、Piggydbでは「フラグメント」という小さい単位が基準になっているからです。
Piggydbの「フラグメント」にはこの記事のような長文(Pomera DM20の1ファイルあたりの文字数の上限、全角約28,000文字をコピーしても問題なく動作しました)からセリフ一行の短文まで、幅広く使いこなすことができる柔軟な単位です。
つながりやタグ付けのことを考えたらできるだけ、「フラグメント」は短い文章で区切っていった方が良いと私も思います。その一方で分かりやすいフォーマットや目次のない短すぎる区切りの「フラグメント」は、他の人が読むときに読みにくいものになります。自分専用のPiggydbは短く区切り、ネット上のPiggydbは長めにまとめる、そういう使い分けが「フラグメント」を使いこなす上でのコツなのかもしれません。

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ごめんなさい。「整形済みテキスト」を利用する場合には、気をつけないと横幅が際限なく拡張されてしまいます。とりあえず、トップページが崩れるのを防ぐために、#559#trashタグを付けておきました(消す意図はありません)。折角有益なフラグメント登録して頂いたのに恐縮なのですが、書式を修正して頂けないでしょうか?

ツリー型で文章全体を一望できる「アウトラインプロセッサ」Piggydb


以下に、Piggydbをアウトラインプロセッサとして使用する際のTipsを紹介していきます。

アウトラインプロセッサには、たくさんの種類があり、各利用者ごとにこだわりが強い種類のソフトウェア分野だと思います。Piggydbが専門のアウトラインプロセッサと相手の土台で勝負して勝てるかどうかは分かりません。それでも、各シーンごとにタグ付けをする事ができるということは、利用者の発想次第で専門のアウトラインプロセッサを超える可能性を秘めているということ、私はそう信じています。
また、画像やYouTube動画、PDFや各種メディアファイルなど、ファイル種類を選ばない資料と共に、情報をPiggydbに一元化できるというのは、素晴らしい強みだと思います。
創作活動に燃える方々、ぜひ一度Piggydbを使いこなして、素晴らしい作品を生み出してみませんか?