オフラインブログから知的生産ツールまで、変幻自在のPiggydbを逆引きしてみた
Piggydbを使って早一ヶ月が過ぎ、だいぶ自分なりのPiggydbの使い方が見えてきました。そして、気付いたこと、いや驚かされたことは、Piggydbの多彩な可能性の数々です。そこで、Piggydbを様々な方に興味を持って頂けるように、Piggydbの機能から何が出来るのかではなくて、他のサービス、ツールをPiggydbで再現することはできないかを検証してみました。特に一般的にはオンライン専用のサービスを完全オフラインのツールとして利用したいと思っている方の助けとなれるように考えてみました。逆に言えば、目的に合わせてどうPiggydbを活用していくかという事を逆引きでまとめてみる、ということになります。
- #173 閲覧初心者に対するユーザビリティについて
ユーザ層にあわせ,ポータルの使い方を案内するフラグメントを作る。
書籍風の見出しフラグメントを追加。
初期ユーザ向けに,ステップバイステップのPDFマニュアルと画面及び用語解説ページ。
これらをドキュメントビューから作成したPDF及び配布向けページ。
- #174 作者の回答
ただ、現状の方向性としては、手取り足取りのドキュメント作成、ケニーさんが仰る、いわゆるPDFのような普通のドキュメントの作成についてのプライオリティはそれほど高くありません。
というのも、色々な人にPiggydbについて説明してきて、「Piggydbとは~のようなものである」という説明をしてもあんまり意味がないと気が付いてきたからです。
Piggydbはかなり汎用的なソフトウェアですので、その操作方法やコンセプトを説明しても、「で?」という反応になりがちです。
なんと言いますか、Piggydbは従来のソフトウェアの代替を意図して作られたものではないので、余計に「仕組み」だけを説明しても意味がないんですね。
今回の一連のフラグメント群が、作者様の意図とは少々ずれているのは、承知の上です。それでもPiggydbユーザーの増加を願って、逆引きさせて頂きます。どうぞお許し下さい。
「親子タグが使えるオフラインブログソフト」としてのPiggydb
- 親子タグも自由に使える完全オフラインブログソフトとして使用可能です。
- YouTubeのビデオプレイヤーを埋め込むことも可能です。
- #377 知識創造ソフトウェア: Frieve Editor, iroha Note
- ブログ内検索も可能。全文検索機能は軽快で高性能です。
- #38 全文検索
- スタンドアロン・パッケージなら、誰でも簡単にインストールして、気軽に使い始めることができます。
- #246 スタンドアロン・パッケージ
- 他の人に中身が見られないように、パスワードで保護することも可能です。
- #18 ログイン画面
- 逆に、他の人でも閲覧は可能で、編集は不可能というモードも。ユーザー登録でコメントを残すことも可能です。
- Firefox Add-onの「Stylish」を使うことで、カラーカスタマイズも自由自在。お好みのテーマカラーでPiggydbをご使用頂けます。
- Firefox Add-onとの連携で、入力中のテキスト保護や自動保存も可能。お好みのテキストエディタで本文を入力することだってOKです。
- #443 テキストエリアの自動バックアップ
「完全オフラインの個人用Wiki」としてのPiggydb
- まずは、以下の2つのページを参考にして下さい。その上で足りない情報をこの記事で補足説明していきます。
Piggydbは「疑似マインドマップ」から「知的生産ツール」へ
- まず前提として、Piggydbはテキストベースのソフトですから、マインドマップをビジュアル表示出来るわけではありません。
- このPiggydb.jpでは過去様々にマインドマップについての記事が書かれています。代表的な記事を以下に紹介します。
- では、Piggydbを「疑似マインドマップ」として活用する方法を紹介します。
- セントラルイメージを新しいフラグメントとして作成します。もちろん、画像をセントラルイメージとして使うことも可能です。
- つながりのあるフラグメントを作り、タイトルにメインブランチの単語を記入します。
- 本文に文章を書くことでBuzan's iMindMapでいう「ノート」機能を再現することが出来ます。
- 後は、セントラルイメージやメインブランチからつながりのあるフラグメントを作る行程を繰り返せばOKです。
- 自由にフラグメントをツリー状に構成することが可能です。また、フラグメントの並び替えも簡単です。
以上です。脳内でマインドマップをイメージすることが出来る人にとっては充分に有効な使い方だと思います。
とはいえ、やはり本家マインドマップの使い勝手には及ばないというのが正直なところです。ですが、この使い方をあえて紹介したことには理由があります。それは、「疑似マインドマップ」としてPiggydbを運用することで、「知的生産ツール」というPiggydb本来の目的を果たすための鍵となる機能「つながり」を分かりやすくイメージすることができるようになると感じたからです。
Piggydbは、いろいろな情報を入力しつつ、それらを「つながり」や「タグ」によって柔軟に整理することができる、情報管理システムです。Piggydbという名前から想像できるように、ある程度形式が定まったデータベースとして利用される方が圧倒的に多いようです。
しかし、このデータベース的用途とは異なる、Piggydbの真の目的があります。それは、あらゆる角度でつながりを作ることによって、発想を刺激し、新しいアイデアの発見を促す、より創造的なツールになることです。
Piggydbを自由自在に操って、画期的なアイデアを閃かせたり、既存の情報から新しい概念を発見したりする。そういうことに興味を持ってワクワクする方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度Piggydbをお試し下さい。その際に、もし始め方の検討が付かないようであれば、「疑似マインドマップ」の作成からスタートしてみることをオススメします。
「ドラマの台本」や「ノベルゲームのシナリオ」をPiggydbで作成する
- 新しいフラグメントを作成し、タイトルに「シナリオの名前」、本文に「あらすじやテーマ、出演者など」を書く。
- そこからつながりのあるフラグメントを作成(子フラグメント)し、「柱」(どこで、いつ)を作成します。
- タイトルに、シーン番号と「どこで、いつ」の描写を盛り込んで、本文は空白にしておきます。
- そこから、「柱」フラグメントからつながりのあるフラグメント(子フラグメント、シナリオの名前フラグメントから見て孫フラグメント)を並列で並べていきます。
- ト書(誰が、なにをしている)、セリフ(何を話している)を順番に並べていくのです。
- ここで、ト書きはタイトルを「ト書」、本文に「誰が、なにをしている」の描写を書いていきます。
- セリフはタイトルに「役名」を書き、本文に「セリフの本文」を書いていきます。
- これをシーンごと(柱)ごとに繰り返していきます。
以下に具体例を紹介します。
親フラグメント [サンプルシナリオ] 本文:[あらすじ]
...子フラグメント タイトル:[1 さかのうろん・店内(夜)] 本文:[空白]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[薄暗い店内に、一人だけ残っている建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[薄暗い店内に、一人だけ残っている建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
...子フラグメント タイトル:[3 百道・ウォーターフロント] 本文:[空白]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[幾何学的なデザインの超近代的な住居群。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[マンションを見上げている晶江、ケイコ、建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[興味なく橋を向いている一件。]
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」
......孫フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
......孫フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[幾何学的なデザインの超近代的な住居群。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[マンションを見上げている晶江、ケイコ、建造。]
......孫フラグメント タイトル:[ト書] 本文:[興味なく橋を向いている一件。]
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」
......孫フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
......孫フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
......孫フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
ラジオドラマ脚本の書き方/日本放送作家協会九州支部より、サンプルシナリオを引用させて頂きました。
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この手法の一番便利な点は、ズバリ、各シーンやセリフの並び替えが楽だということです。また、要らないと思ったシーンも、後で必要だと思えば、すぐにゴミ箱から戻す事が出来ます。
また、親フラグメントの本文に画像を表示させることもできるので、ノベルゲームのシナリオ作りにも役立つでしょう。その場合は、画像ごとにシーン番号を付け、画像フラグメントを親フラグメント、地の文、台詞を子フラグメントとする二層構造にすると、画像を見ながらセリフを書いたり、並び替えたりすることが出来るので、便利だと思われます。
親フラグメント [1 さかのうろん・店内(夜)] 本文:[酒場の画像]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[薄暗い店内で、建造が、一人だけ残っている。]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[薄暗い店内で、建造が、一人だけ残っている。]
...子フラグメント タイトル:[地の文] 本文:[赤手拭を置いたテーブルで、ぼーっと酒を飲んでいる。]
親フラグメント タイトル:[3 百道・ウォーターフロント] 本文:[マンションの画像]
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」
...子フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
...子フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「ここ? いいじゃない」
...子フラグメント タイトル:[建造] 本文:「冗談やなかぞ。こげんピカピカしたとこに住めッか。ここは山の通らん! 第一、こげなとこでうどん屋のできるとか」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「カズちゃん、どないする?」
...子フラグメント タイトル:[一件] 本文:「……(ソッポ向いている)」
...子フラグメント タイトル:[ケイコ] 本文:「なァ、どないする?」
※上記のサンプルをノベルゲーム風に少しアレンジさせてもらいました。
最後になりますが、何故、Piggydbがこのような便利な使い方が出来るのかと言いますと、Piggydbでは「フラグメント」という小さい単位が基準になっているからです。
Piggydbの「フラグメント」にはこの記事のような長文(Pomera DM20の1ファイルあたりの文字数の上限、全角約28,000文字をコピーしても問題なく動作しました)からセリフ一行の短文まで、幅広く使いこなすことができる柔軟な単位です。
ツリー型で文章全体を一望できる「アウトラインプロセッサ」Piggydb
- まずは、参考にした記事を紹介します。
以下に、Piggydbをアウトラインプロセッサとして使用する際のTipsを紹介していきます。
- フラグメントは更新順、作成順などの他に「タイトル順」にも並び替えることが出来ます。(昇順、降順も選べます)
- スライダーを操作することで、シーンNoのみの一覧から、タイトル一覧、文章全体の一望まで、文章の表示をコントロールできます。
- ▼トグルボタンを利用すれば、任意のフラグメントのみを表示し、編集することも自由自在です。
- サイドバーのブックマークとフィルタを▼トグルボタンから折りたたむ。
- Firefox Add-onと組み合わせれば、自分のお気に入りのテキストエディタを使うことができます。
- #443 テキストエリアの自動バックアップ
- できあがった文章を眺めたい場合や、印刷したい場合は、ドキュメント・ビューの利用が便利です。
- 画面右にツリーを表示させない、一体型のアウトラインプロセッサとして使うなら、普通のテキストフラグメントを使用してもOKです。
- タグを付けて、各シーンの状況を分かりやすく表示させることもできます。
- [一人称],[二人称],[三人称],[主人公の視点],[副主人公の視点]
- [コメディシーン],[シリアスシーン]
- [A_伏線],[A_回収]
- 各シーンごとの関連性や、各シーンの元ネタや閃いたアイデアのフラグメントへ「つながり」を作成する。
- 伏線のシーンとその回収シーンを「つながり」で結ぶ。
- 花火のシーンと、花火の写真やYouTubeのビデオプレイヤーの埋め込まれたフラグメント間に「つながり」を作る。
アウトラインプロセッサには、たくさんの種類があり、各利用者ごとにこだわりが強い種類のソフトウェア分野だと思います。Piggydbが専門のアウトラインプロセッサと相手の土台で勝負して勝てるかどうかは分かりません。それでも、各シーンごとにタグ付けをする事ができるということは、利用者の発想次第で専門のアウトラインプロセッサを超える可能性を秘めているということ、私はそう信じています。
創作活動に燃える方々、ぜひ一度Piggydbを使いこなして、素晴らしい作品を生み出してみませんか?